目的

  1. 理論的・科学的な発展 - 1つの概念,手技,知識に固執しないこと,真実を素直に受け入れることからすべてが始まることを伝える
     1つ知識・手技に固執する徒手療法では多くの患者様に対応できない。例えば,これまでの研究をまとめると複合運動(coupled movement)のパターンは人により様々であることが理解できます。従って,知識の一端して知っておくことは必要ですが,治療はもちろん評価としても必ずしも利用できるとは限らないのです。腹横筋でも同様です。腹横筋の運動として考えられた運動をすることで腰痛安定性の増加は僅かです。ではどうしたら良いのか?このように真実を理解することで正しい解決策を見つけるのが我々の役目です。
     個々の評価の信頼性・妥当性などを理解・紹介することで,総合的な評価をおこなう必要性・その実践を指導していきます。
  2. 十分な訓練(知識・技術とも)を受けたインストラクターを育成 - 国際レベルの技術・知識の伝達する
     形だけの手技の伝達をしない。卒後教育レベルでは,検査・治療手技がいつ,どのような患者に使用できるのかを含めて伝えるべきである。理論的(解剖・運動学を基礎に)・科学的(研究を基に)な内容を検討し,必要に応じて伝達する。
  3. 国際徒手療法連盟(IFOMT)への加入諸外国では,1つの知識・手技に偏らないよう多くのプログラムが国内で認定され,複数のカリキュラム(講習会)を基に国際徒手療法連盟に国として加入している。本学会の提供しているセントオーガスティン大学の講習会は世界レベルでは基準を満たしている内容であるので,国内においても早く認定されることが理学療法士全会員にとって有益であると考える。
  4. 徒手療法ガイドラインの作成(米国PT協会が認定した米国のガイドラインを参考に)米国では徒手療法ガイドラインが協会認定のもと作成されているが,日本では徒手療法ガイドラインは作成されていない。ガイドラインでは:

・ 徒手の定義の作成 → 理学療法における徒手療法の位置づけを明確にする
・ 研究から証明された根拠を提示し,教育内容を明らかにする
・ 徒手療法の歴史を明らかにする → 徒手療法先駆者の知識・技術を後世に適切に伝える
など,その他多くのことを米国の資料を参考に,日本に合うよう修正し作成していきます。